1分でわかるIFRSの話Vol.1「開発費の資産化」

日本基準 研究開発費は費用化

研究開発費等に係る会計基準 三.

研究開発費は、すべて発生時に費用として処理しなければならない。

と定められています。

研究開発費等に係る会計基準の設定に関する意見書(平成10年3月13日)より、理由は以下の通りです。

研究開発費は、発生時には将来の収益を獲得できるか否か不明であり、また、研究開発計画が進行し、将来の収益の獲得期待が高まったとしても、依然としてその獲得が確実であるとはいえない。そのため、研究開発費を資産として貸借対照表に計上することは適当でないと判断した。
また、仮に、一定の要件を満たすものについて資産計上を強制する処理を採用する場合には、資産計上の要件を定める必要がある。しかし、実務上客観的に判断可能な要件を規定することは困難であり、抽象的な要件のもとで資産計上を求めることとした場合、企業間の比較可能性が損なわれるおそれがあると考えられる。
したがって、研究開発費は発生時に費用として処理することとした。

IFRS 開発費の一部を資産化

研究開発費は、IAS(国際会計基準)38.52項に従い、研究開発に分けます。

To assess whether an internally generated intangible asset meets the criteria for
recognition, an entity classifies the generation of the asset into:
(a) a research phase; and
(b) a development phase.
自己創設無形資産が認識規準を満たすか否かを判定するため、企業は資産の創出過程を、(a)研究局面(b)開発局面、に分類します。

54項に従い、研究費費用化します。

Expenditure on research shall be recognised as an expense when it is incurred.
研究に関する支出は、発生時に費用として認識

57項に従い、開発費一部資産化します。

An intangible asset arising from development shall be recognised if, and only if, an entity can demonstrate all of the following:
開発から生じた無形資産は、企業が次の(6要件)すべてを立証できる場合に、無形資産として認識

日本基準が「実務上客観的に判断可能な要件を規定することは困難」としているのに対し、IFRSは6要件を定めました。
※これを読み出すと1分以上になります。流し読みしてください。

(a) the technical feasibility of completing the intangible asset so that it will be available for use or sale.
(a) 使用又は売却できるように無形資産を完成させることの、技術上の実行可能性

(b) its intention to complete the intangible asset and use or sell it.
(b) 無形資産を完成させ、さらにそれを使用又は売却するという企業の意図

(c) its ability to use or sell the intangible asset.
(c) 無形資産を使用又は売却できる能力

(d) how the intangible asset will generate probable future economic
benefits. ・・・
(d) 無形資産が蓋然性の高い将来の経済的便益を創出する方法。・・・

(e) the availability of adequate technical, financial and other
resources to complete the development and to use or sell the
intangible asset.
(e) 無形資産の開発を完成させ、さらにそれを使用又は売却するために必要となる、適切な技術上・財務上及びその他の資源の利用可能性

(f) its ability to measure reliably the expenditure attributable to the
intangible asset during its development.
(f) 開発期間中の無形資産に起因する支出を、信頼性をもって測定できる能力

この6要件をどう判定するか。。。企業ごとに判断が求められます。

日本基準が「抽象的な要件のもとで資産計上を求めることとした場合、企業間の比較可能性が損なわれるおそれがある」と避けていることにチャレンジする意味が、どこまであるのか。。。
難しいですね。

 

以上。最後まで読んで頂き、ありがとうございますm(__)m

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