「リスク分担型企業年金」を簡単に解説します。

2017年1月1日より、新しい企業年金制度として、リスク分担型企業年金が導入されます。

  • リスク分担型
  • 企業年金

簡単に解説します。

 

そもそも「年金」とは?

Wikipediaで

年金 毎年定期的・継続的に給付される金銭のことである。

年金には高齢者が貰うというイメージがありますが、遺族年金など、若い人がもらうこともあります。

また、Wikipediaで

年金
  • 年金を保障する仕組み(年金制度)も指す。
  • 制度の運営手法によって、公的年金私的年金に分類される。

とあります。

一般的に「年金」と言うと、公的年金を指します。

 

公的年金」とは?

公的年金には

国民年金 国民全員が加入する
厚生年金 サラリーマンが加入する
共済年金 公務員が加入する

の3種類があります。

サラリーマンは、①国民年金 と ②厚生年金を払う義務があります。
自分が高齢者になれば、①国民年金 と ②厚生年金を貰えます。

公的年金に入るのは、国民の義務
これとは別に、個人の自由で入るのが私的年金です。

 

私的年金」とは?

私的年金は、

  • 国民年金を上乗せするための国民年金基金
  • 厚生年金を上乗せするための厚生年金基金
  • 個人が自分で積立てる個人年金保険

など、様々あります。

ここでは、

  • 企業が従業員に払う企業年金

だけを解説します。

 

企業年金」とは?

企業年金とは、企業が退職した従業員に払う年金です。

企業としては、退職金を一度にたくさん払うのはキツい
そこで、退職した後、退職年金を少しずつ払うようになりました。

その制度が進化し、

  • 従業員が働いている間にお金を積立てる
  • 退職した従業員は、一度にもらう(退職一時金)か、年金でもらうか選べる。

今は、これが一般的になっています。

 

企業年金」のポイント

企業が従業員のためにお金を積立てた

  • 積立てた分だけ、税金が減るか?
    税務上の損金になるかどうか?)

がポイントになります。
※自営業の人の「経費で落とす」と同じです。経費が多いと、税金が安くなります。

国が認めた企業年金の制度であれば、お金を積み立てた時に税務上の損金になります。

 

国が認めた企業年金の制度

国が認めた企業年金の制度にもいくつかあります。
ここでは2つだけ取り上げます。

確定給付
企業年金
企業年金企業が年金基金をつくったり、保険会社信託銀行にお金を預けたりして、お金を積立てる。
確定拠出年金
(企業型)
企業が従業員の口座にお金を振込み、従業員が退職するまでお金を運用する。

 

積立てたお金が減るリスク

積立てたお金は、株・国債・社債などを買って運用します。
どの制度にも、積立てたお金が減ってしまうリスクがあります。

確定給付
  • 従業員が貰えるお金は決まっています(確定給付)。
  • お金が減ったら、企業が追加でお金を払います。
    積立てたお金が減るリスクは企業が持っています。
確定拠出
  • 企業が払うお金は決まっています(確定拠出)。
  • お金が減ったら、従業員が貰えるお金が減ります。
    積立てたお金が減るリスクは、従業員にあります。

 

リスク分担型企業年金」とは?

リスク分担型企業年金は、お金が減るリスク企業と従業員で分担するものです。

  • 企業はお金が減るリスクも考えて、多めに積立てておく(リスク対応掛金)。
  • それでもお金が減ったら、従業員の貰えるお金が減る。

という仕組みです。

先述のように、国が認めた企業年金の制度でないと、お金を積立てた時、税務上の損金になりません。
なので、このように新しい制度を作ることに、意味があります。

企業年金」の会計処理

制度 仕訳
確定給付 費用/負債
※積立てが足りない額を負債に計上
負債/預金
※お金を積み立てた時に負債を減少
確定拠出 費用/預金

確定拠出の方が、企業の会計処理は楽です。負債を計上しなくてよい)

しかし、「従業員に全てのリスクを追わせるのはなぁ。。。」ということで、確定給付を使用している企業が多いです。

 

リスク分担型企業年金」の会計処理

リスク分担型企業年金の開始に合わせて

  • リスク分担型企業年金の会計処理等に関する実務上の指針

も公表されました。

  • 企業はお金が減るリスクも考えて、多めに積立てておく。(リスク対応掛金
  • それでもお金が減ったら、従業員の貰える年金が減る。
リスク対応掛金確定 確定拠出と同じ処理
リスク対応掛金が確定していない
「お金があまりに減ったら、企業が追加で払う」など
確定給付と同じ処理

このような会計処理になっています。

リスクを従業員と分担でき、確定拠出と同じ処理ができるので、多くの企業が導入することが期待されています。

 

クワリンボーヤの考え事

超高齢社会で、高齢者の貰える公的年金は減る一方です。
安定しない景気で企業年金を辞める企業が増えてきている中、国は「企業に辞められると困る」と思い、新しい制度を作りました。

年金を企業に頼るのは、どうなんでしょうかね。。。
1人1人、将来のお金を考えないといけません。

以上。最後まで読んで頂き、ありがとうございます(m_ _m)

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