「てるみくらぶ」は監査を受けていたら、突然潰れることは無かった。

この記事は、東京商工リサーチのHPを参考にしています。

 

「てるみくらぶ」が突然潰れたらしい。

格安海外旅行業者「(株)てるみくらぶ」が、突然破産したそうです。

  • 負債総額    約151億円
  • 債権者総数   3万6266件
  • うち一般旅行者 3万6046件

破産したら、お金はほとんど返ってこないでしょう。
ざっと1件当たり40万円。。。辛いです。

 

旅行者を守る仕組み

旅行業を営む会社は、旅行業法に基づく登録が必要です。

登録の要件は、

  • 営業所ごとに資格を有する者を置く
  • 必要な財産的基礎を有している

てるみくらぶは第1種旅行業者だったので、

  • 基準資産額3000万円
    基準資産額 = 資産合計 ー 負債合計 ー弁済業務補償金
    分担金額 ー 不良債権・繰延資産等

を有している必要がありました。
この状態を維持していれば、破産することはありません。
この基準を満たすためにも、粉飾決算をしていたのでしょう。

てるみくらぶが入っている日本旅行業協会弁済業務補償金が1億2000万円戻ってくるそうですが、

  • 負債合計 151億円
  • 補償金    1億円

1%にもなりません。。。

 

監査法人は何をやっていた?

この事件を受けて、

  • 粉飾決算?またか。
  • 監査法人は何をやっていたんだ?

とネット上で言っている人がいましたが・・・。

てるみくらぶは、

  • 上場していない
  • 資本金5億円以下(6000百万円)
  • 負債200億円以下(151億円)

なので、監査を受ける義務はありません
自主的に監査を受けている情報もありません。

監査法人で働く公認会計士として、こういう誤解は悔しいです。
もっと、監査の制度を解ってもらう必要がありますね。。。

 

監査を受けていたら、突然潰れることは無かった。

監査の仕事は

  • 会社から依頼を受けて
  • 決算書が正しい(重要な虚偽表示が無い)と保証すること

もし、てるみくらぶが監査を受けていたとしても

  • 「てるみくらぶは、もうすぐ潰れますよー」

と、監査人が言うことはありません。

しかし、監査を受けていたら、突然潰れることは無かったでしょう。

 

継続企業の前提

企業の決算情報は

  • 継続企業の前提
    ⇒企業が将来にわたって事業を継続する前提

に基づいて作られています。

具体的には、

  • お金を貰えるのは来年でも、今年に売ったものは今年の売上
  • 10年使う機械を買ったら、お金を払ったのは今年でも、将来10年間の費用

というような会計処理をします。

この継続企業の前提重要な不確実性がある(近いうちに潰れそうな)場合、

  • 重要な不確実性がある理由
    (近いうちに潰れそうだと思った理由)
  • 対応策
    (リストラ、資金調達などの生き残り策)

決算書に注記しなければ、継続企業の前提に基づいた決算書を作ることができません。

てるみくらぶが監査を受けていたら、大きな粉飾決算は出来ず、この注記をせざるを得なかったはずです。
この注記があれば、「てるみくらぶ、ヤバいらしい」と気付くことが出来たはずです。

 

まとめ(公認会計士の使命)

今回の事件を受けて、旅行業者の信頼性が問題になるでしょう。

公認会計士の使命は

  • 情報の信頼性を確保して、
  • 公正な事業活動、投資者及び債権者の保護を図り
  • 国民経済の健全な発展に寄与すること

です。

旅行業者に対する監査を義務にするのは、ちょっと現実的ではありません。

でも、監査以外の立場から、公認会計士が出来ることがあるはずです。
それをするのが使命でもありますし。。。

何か考えます。

 

以上。最後まで読んで頂き、ありがとうございます(m_ _m)

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