犬と猫は、何を根拠に殺処分されるのか?

動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護法)という法律があります。

愛護動物

  • 牛、馬、豚、めん羊、やぎ、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる
  • 人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するもの

内容は、販売業者やブリーダーに関する規制占有者の責務などが定められており

  • 愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、二年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。(第四十四条)

という罰則もあります。

しかし、犬・猫は年間10万匹以上が殺処分されています。第三十五条に

  • 都道府県等その他政令で定める市は、犬又は猫の引取りをその所有者から求められたときは、これを引き取らなければならない。
  • 都道府県知事等は、第一項本文の規定により引取りを行つた犬又は猫について、殺処分がなくなることを目指して、所有者がいると推測されるものについてはその所有者を発見し、当該所有者に返還するよう努めるとともに、所有者がいないと推測されるもの、所有者から引取りを求められたもの又は所有者の発見ができないものについてはその飼養を希望する者を募集し、当該希望する者に譲り渡すよう努めるものとする。

とあり、殺処分は禁止されていません。

また、犬には狂犬病予防法が適用されます。まず、犬は登録しなければなりません。(第四条)

  1. 犬の所有者は、犬を取得した日から三十日以内に、厚生労働省令の定めるところにより、その犬の所在地を管轄する市町村長に犬の登録を申請しなければならない。
  2. 市町村長は、前項の登録の申請があつたときは、原簿に登録し、その犬の所有者に犬の鑑札を交付しなければならない。
  3. 犬の所有者は、前項の鑑札をその犬に着けておかなければならない。

次に、狂犬病の予防注射を受けます。(第五条)

  1. 犬の所有者は、その犬について、厚生労働省令の定めるところにより、狂犬病の予防注射を毎年一回受けさせなければならない。
  2. 市町村長は、政令の定めるところにより、前項の予防注射を受けた犬の所有者に注射済票を交付しなければならない。
  3. 犬の所有者は、前項の注射済票をその犬に着けておかなければならない。

そして、犬の抑留・処分についての定めがあります。(第六条)

  • 予防員は、第四条に規定する登録を受けず、若しくは鑑札を着けず、又は第五条に規定する予防注射を受けず、若しくは注射済票を着けていない犬があると認めたときは、これを抑留しなければならない。
  • 予防員は、第一項の規定により犬を抑留したときは、所有者の知れているものについてはその所有者にこれを引き取るべき旨を通知し、所有者の知れていないものについてはその犬を捕獲した場所を管轄する市町村長にその旨を通知しなければならない。
  • 市町村長は、前項の規定による通知を受けたときは、その旨を二日間公示しなければならない。
  • 第七項の通知を受け取つた後又は前項の公示期間満了の後一日以内に所有者がその犬を引き取らないときは、予防員は、政令の定めるところにより、これを処分することができる

要約すると、狂犬病の可能性がある犬は、抑留後3日間経つと処分することできます
殺処分」との明記はありませんが、「処分=殺す」しかないでしょう。そんなこんなで、全国各地に殺処分する施設があります。

そして各自治体で、狂犬病に関係なく「引き受けた動物は2日間公示後処分できる」などの条例を定め、殺処分しています。

直接的な殺処分の根拠は条例です。
動物を育てるにはお金も人手もかかるので、自治体で育てるには限界があります。殺処分に反対するなら、もっと税金を払いましょう。

1番悪いのは、ペットを手放す飼い主
次が、ペットを手放すような飼い主に販売するペット業者です。

ペットを譲渡するために、不動産における宅建のような資格は必要ありません。動物愛護法により、自治体に登録すればOKです。ペット税(ペットを買う時に税金を払う)を導入する議論もありましたが、実行されず。
今のところ、ペットを飼う人、各々のモラルを高めるしかありません。

 

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