北川雄士(Kitagawa Yuji)さん
- 神戸大学を6年で卒業(留年2回、就活は3回)
- 博報堂で2年半
営業(アカウントエグゼクティブ)として、大手メーカーのCM制作や媒体取引など。 - シナジーマーケティングで7年半
ITベンチャーで人事の立ち上げ⇒責任者 - 2014年2月より「社外人事部」としてフリーランス
- ブログ
とにかくやってみよ―北川雄士のブログ - 別のインタビュー記事
可能性の源泉を掘りおこし、心に火をつける file.70(前編)
北川雄士さんは、桑理が学生時代にお世話になった方です。
神戸大学で学生さんとミーティングをされてる間に、時間を頂きました。
※学生数名も聞いている、初の公開インタビューです。
質問① 幸せそうに見えるが、本人はどう思うか?
北川:幸せそうに見えるんか。そうなん?僕ってそう見えるんや?
桑理:楽しそうに見えるんですけど、、、
北川:「楽しいか、楽しくないか?」で言うと、楽しいですよ。でも、楽しいとか、幸せとか。そういうのを、周りにアピールしたいという思いは一切ないわ。「個人として、勝手に楽しく生きてますけど」って感じ。
桑理:ほー。。。
北川:でも、周りの人への感謝はムチャクチャ意識してるな。学生に「どうすれば内定もらえますか?」って聞かれたら、「感謝・謙虚・素直・努力。こういうことだけちゃんとしてれば、絶対内定もらえる。」って言うてる。
桑理:ほーほー。
北川:周りの人に感謝できたら、幸せになれると思ってる。僕は幸せやけど、それを誰かに伝えることも、知ってほしいと思うこともないね。
質問② 自分が変わったきっかけ
北川:ベースの考え方は、学生の時からそんなに変わっていないかな。でも、自分が変わったきっかけで言うと3つあるわ。3つあるって、記事的にもいいやろ(笑)。
桑理:ありがとうございます(笑)。
きっかけ① イジメられていた話
北川:中学校までイジメられてました。
桑理:。。。
北川:けっこうイジメられっ子で、学校行ったらブレーンバスターされる。
学生:「ブレーンバスター」が分かんないですよ(笑)。
北川:そうか(笑)。四の字固めでも、何でもいいけど。身体が小さかって、デカいやつに叩かれててん。通りすがりでシバカれるヤツ、クラスにおるやん。何やっても「雄士のくせに生意気な」って言われて、認めてもらえてない。のび太的なポジション。
桑理:そうだったんですか。。。
北川:高校が一応進学校で、イジめてくるヤツもおらん。「あれ?みんな大人しいやん。」と思って、そこから発信していくことに自信がついた。高校デビューですね(笑)。
桑理:ほー。
北川:イジメられてたから、皆の動向を伺うのが得意やって、「あれ?ここでツッコんだらおもろいのに」っていうのが分かってんな。それでツッコんでいったら、ウケて喜ばれた。それで、自分の立ち位置、居場所を見つけた。それから今も、人の魅力とか雰囲気を読みながら、ツッコめるのが僕の居場所やなーと思います。
きっかけ② 大学時代の休学~バックパッカー~
北川:大学時代に1年休学して、旅人してました。バックパッカーで放浪の旅して、野宿みたいな。それは大きかったな。大人は自分の経験から好き勝手なことを言いますが、僕は学生の皆さんに「海外に出て多様性に触れるのは良かったよ」と言いたいです(笑)。
桑理:そうだったんですねー。
北川:それまで、中学・高校・大学とずっとやることがあったけど、休学して既存のレールから下りた。「やーめた」って。それで、人生を考え出したんよね。
桑理:ほー。
北川:今日寝る場所を、今日考える。とても当たり前のことやけど、普通の生活・普通の旅行では中々出来ない経験。自分で自分の人生を考えるきっかけになった。
きっかけ③ 家族
北川:上の子が1,098グラムで生まれてんな。超未熟児。病気にもなりやすいし、身体のあちこちにトラブルが発生するかも。って言われた。
桑理:ほー。。。
北川:初めて歩いたのが3歳。今も身体が小さくて、何やってもクラスの最下位を走ってる。もし、未熟児じゃなく普通に生まれていたら、「人よりできること」を子どもに求めていたかもしれない。でも今は、健康で生きていることが1番、比較とか競争に、一喜一憂しなくなった。娘が身体を張って、大切なことに気付かせてくれたな。
桑理:。。。
北川:調子に乗るんですよ。人生って。学生の皆も、勉強できて、給料もそれなりにもらったりすると、調子に乗る。「もっとできるんじゃないか?」って、プライドと欲望とかが生まれて、そのレベルが上がっていく。それ自体は悪いことじゃないんやけど、いつしかシンプルで大切なことが、際限ない欲求やプライドによって見えなくなる。僕は家族のおかげで、健康とか目先の幸せのありがたみとか、、、シンプルで大切なことに、改めて気付かせてもらえたと思ってる。
感謝・謙虚・素直・努力
桑理:先程の「感謝・謙虚・素直・努力」っていうキーワードは、いつから大事にされてるんですか?
北川:「感謝」は、古くはおじいちゃんにずっと言われてた。「人間は自分で生きてるんちゃうで。生かされているんやで。」「いろんなことをさせてもらって、有難い。感謝しなアカンよ。」って。
桑理:ほーほー。
北川:そしたら、学生時代にインターンしていたシナジーマーケティングの谷井さんが、同じことを言っててん。「この人が頭抱えて決めたことは、多くの人を不幸にしない」って確信したな。ITベンチャーやのに、欲しい人材が「感謝の気持、謙虚さを持つ人」やで。成長とか行動力とかじゃなくて。
シナジーマーケティング採用サイト「求める人材像」をご覧ください。
桑理:そうなんですねー。
北川:「素直」は、就活してる時に「素直でいいね」って言われて、自分の魅力やって気付いたな。自分の中では当たり前やと思ってたけど。
桑理:北川さんが楽しそうに見えるのは、素直だからかもしれないですね。
北川:なるほどなー。思ったこと言うし、気持を表現できてるわ。でも、へこんでいる時はすげえ落ち込むで(笑)。
質問③ 周りに対しての不満など(あれば)
北川:周りに対しての不満は、一切ないわ。不満を持つ理由がない。
桑理:ほー。
北川:組織になると色々な人がいるから、自分の思い通りにならんことはある。でも、それがイヤなら変えればいい。周りが変わらんかったら、自分が変わればいい。一喜一憂している時間がもったいないわ。
桑理:「周りを変えたい」っていうモチベーションは、不満から来るかな?と思っているんですが。。。
北川:モチベーションかー。。。なんなんやろねー?。。。
(考え中)
北川:モチベーションって、少なくとも誰かにコントロールされるものでは無いと思うな。そりゃ、誰しも褒められたら嬉しいし、給料上がったら「おっ!」って思うけど、それとモチベーションは違うと思うわ。
桑理:ほー。
北川:僕は求めてくれる人がおったからやってきたんかな。手探りでやってきたことが、一定の意味を持って伝わって、人から求められるようになった。それに応えようと思ってる。それで言うと、モチベーションは期待と責任かなー。
桑理:なるほどー。
北川:社会に対しての怒りとか、そういう感情はホントにない。むしろ、怒れる人がすごい羨ましい。ストレングスファインダーってあるんやけど、、、
桑理もとても好きな本です。
北川:僕の強みの1位が「包含」やねん。この言葉がすごく好きやな。
【包含】の特徴(引用元はこちら)
- 人生の基本ルールとして「もっと輪を広げよう」という考えを有する傾向にある。
- 誰かがグループの外側から覗いているような状況を見つけると、彼らを積極的に中に誘い入れようとする。
- 本能的な「寛容性」を持っており、人種、性別、国籍、性格、宗教などの理由で人を批判することはほとんどない。
インタビューを学生さんに公開してしまうことも、まさに包含だと桑理は思います。
北川:座右の銘は「和而不同」。孔子の論語の「君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず」からきてるんやけど。包含って出てきたとき、同じこというてるなーと思いましたね。
和而不同の意味(引用元はこちら)
人と協力はしても、むやみやたらに意見や態度を同じにしないこと。
徳があるものは協力はするが同調はしない、徳がないものは協力はしないが同調するという意味から。
桑理:なるほどー。
北川:異なるもの受け入れて、新しい価値を生み出すのが大事やと思ってる。この1年で50回以上やってる「ぶっちゃけ(※)」でも、「他人の意見を否定をしないこと」ってルールだけ作って、ゴールの無い答えを議論し続けてる。
※北川さん主催で、学生と社会人が語り合うイベントです。
桑理:北川さんの強みと、つながってるイベントなんですねー。
北川:ビジネスって、常にそういうことちゃうかな?皆が良いと言うモノを創ってもダメ。異なる意見を調和して、新しい価値を生み出していく。
桑理:北川さんのモチベーションは、それなんですかね?
北川:確かになー。それがモチベーションかも。究極の目標は世界平和かな(笑)。
学生:おー(笑)。
北川:メチャクチャお金持ちになったら、財団立ち上げて、世界中に寄席小屋を作りたいと思ってるねん。
北川:戦場の真ん中に寄席小屋を作って、くだらない笑いを生み出せればいいな。それが世界平和の最短ルートじゃないかと、本気で思ってる。
桑理:いいですねー!
まとめ
北川:こんなんでエエかな?
桑理:はい。お聞きしたいことは以上です。
北川:幸せって、、、難しいよな。究極的には、1人でも多くの人の価値観と調和できる状態、1人でも多く笑顔にできる状態って、すげえ幸せやと思う。
桑理:ほー。
北川:大事なのは、「感謝」と「素直」やな。嫌な人がいても、「この人に出会えたのは意味がある」って思えたら、幸せやろな。
編集後記
大学生の時、「こんな社会人になりたい」と思った。
仕事も100%、家族も100%。それでいて、楽しそう。
ダメ元でインタビューをお願いしたら、あっさりOK。土日は家族を優先されるため、日程調整に難航しましたが、ようやく。
シンプルで大切なこと。僕も大事にしていきたいです。
幸せって、そういうことなんでしょう。
最後まで読んで頂き、ありがとうございますm(__)m