障碍者にこそ、新しい働き方を

視覚障碍者のオジサン

朝、通勤ラッシュの少し前。
視覚障碍者大柄なオジサンがいた。

阪急梅田行の電車に並ぶ列の、少し
黄色の点字ブロックの後ろで、列から離れて電車を待っている。
電車が到着すると、1歩前へ進み、車両に杖を当てた。
杖でコツコツしながら、少しずつに移動する。
ドアの所まで来ると、杖で分かるようだ。
慎重に足を踏み出し、電車に乗った。
ホッとした。

オジサン、電車で座れない

次に、電車の壁を杖でコツコツしながら、イス(優先座席)まで進む。
イスまで来ると、座っている人の足杖がコツコツ当たる。
「誰かが座っている」と気付いたのだろう。
諦めて、手すりに掴まり、立っていた。
座っている人、なぜ譲らないのか?理解に苦しむ。
しかし、オジサンは黙って立っている。
電車がブレーキをかけた時、オジサンは大きくフラついた
目が見えないから、バランスを取るのが難しいのだろう。
次にブレーキをかけた時、豪快にコケた
周りが助けようとしたが、オジサンには見えない。
手すりに掴まり、自力で立ち上がった。
座っている人、なぜ譲らないのか?どういう神経なのか?
しかし、オジサンは黙っている。
僕は先に、十三駅で電車を降りた。
次の駅は終点、阪急梅田駅。
人の多い梅田で、無事に目的地まで辿り着くのか、不安だった。

オジサン、毎日のルーティーン

別の日、あの時と同じ電車に乗ろうとしたら、またオジサンがいた
同じ場所で、電車を待っている。
勇気を出して「もう少し右ですよ。」と声をかけたら、
「大丈夫です。」とはっきり言われた。
この日も、オジサンは無事に電車に乗った。
この日は、杖が足に当たった人席を譲った
ホッとした。
また別の日、あの時と同じ電車に乗ろうとしたら、またオジサンがいた。
また同じ場所で、電車を待っている。
この日は、杖が足に当たったクソジジイ席を譲らない
しかし、クソジジイの隣にいた男性席を譲った
クソジジイが嫌そうに空いた席に動き、オジサンは座ることが出来た。
スーツを着た、50代であろう色黒サラリーマン。
腹が立ち過ぎて、クソジジイ呼ぶことにした。
オジサンは、
  • 毎日同じ時間(通勤ラッシュの少し前)
  • 全く同じルートを通って
梅田の目的地に向かっているのだろう。
毎日のことだから、誰の助けも求めちゃいないのだ。

オジサンが座れるの1席だけ

オジサンは、健常者と同じように「座れたらいいなぁ」と思って電車に乗るの
だろう。
しかし、席が空いているか、目で見ることが出来ない
ドアに近い1席だけ杖でコツコツして、空いているか確かめる。
いきなり杖でコツコツされたら、クソジジイの様にイラッとするかもしれない。
でも、オジサンには、そうするしか無い。その1席しか無いだ。
その席を譲らない人間は、クソだと思う。

障碍者にこそ、新しい働き方を

オジサンも、最初は誰かを助けを借りながら、目的地までの道を覚えただろう。
駅の工事などがあれば、またイチから覚えないといけない。
テレワークとか、在宅勤務とか言うが、新しい働き方を1番必要としているのは障碍者の方だと思う。
東京オリンピック・パラリンピックでも、視覚障碍者のボランティアを募集しているそうだが、
  • 視覚障害者を対象にした東京2020大会のボランティアセミナー、都内で開催
  • あいにく小雨の降る中だったが、会場には視覚障害者を中心に80名を超える参加者が集まった。
セミナー1つとっても思いやりを感じないし、ボランティアをするのも大変だろう。
障碍者の方にこそ、思いやりの持って、新しい働き方を進めていくべきだと思う。
東京2020大会は、そのチャンスだと思うのですが・・・。
以上。
最後まで読んで頂き、ありがとうございますm(__)m

関連記事