川原泰祐(Kawahara Taisuke)さん
- 1991年 奈良県生まれ
- 奈良県立郡山高等学校 卒
- 立命館大学スポーツ健康科学部 卒
- グンゼスポーツ株式会社 2017年1月退職
- 奈良で【コミュニケーション発育型塾 Terakoya kokoro】を4月に起ち上げ予定
高校の1つ後輩から「同級生に”関西を盛り上げる人”がいる」と紹介頂きました。
「想いを言葉にする力」を育てる
桑理:今準備されている【コミュニケーション発育型塾】について、教えてください。
川原:5教科の勉強じゃなく、子供達のコミュニケーション能力を高めてあげる塾です。
桑理:ほぉ。
川原:社会人にはコミュニケーション能力が求められますが、学校の授業ではほとんど教えてくれません。5教科の勉強も必要ですが、社会に出るための勉強としては、それだけじゃダメだと思います。
桑理:そうですね。
川原:国もそう考えていて、学びを次に活かすアクティブラーニングを進めるように言ってますが、現場には行き届いていません。
桑理:学びを次に活かす、ですか。。
川原:ある中学校のアクティブラーニングの一環で、2学期の間に「3学期の期末テストを作ってみましょう」というのがあるそうで。。。
桑理:まだ習っても無いのに?
川原:そうなんです。
桑理:メチャクチャですね。。
川原:「自分の力で考える」という意味では正しいですが、先生達は「学びを次に活かす」と言っても何をしたらイイか解らないので、そうなってしまったのだと思います。
桑理:なるほど。。
川原:私は「学びを次に活かす」とは、発信することだと考えています。私の塾では、ディスカッションとプレゼンテーションをたくさんします。
桑理:ふむふむ。
川原:前職でスイミングのコーチをしていた時も、子供達は全体に問いかけても黙っていますが、1人1人に問いかけると話してくれます。自分の想いを持ってるはずなのに、恥ずかしいと思ってしまうんです。これは、社会人も同じだと思います。
桑理:確かに。大勢になると黙っている。。
川原:塾では、徹底的に子供達が話す機会を作ります。遊び感覚で楽しく過ごす中で、恥ずかしがらず、想いを言葉にする力を鍛えていきます。
桑理:なるほど。素晴らしいですね!
川原:私自身も、学校のディベートの授業がすごく楽しかった思い出があります。ワンピースなど、面白いテーマだったので、遊び感覚で楽しんでいました。
桑理:良い授業ですね。僕も受けたかったです。
「思いやりの心」を育てる
川原:私の塾のコンセプトが「①想いを言葉にする力」と、もう1つ「②思いやりの心」です。
桑理:ほぉ。思いやりの心。
川原:前職の時、大人になるほど責任に押しつぶされて、思いやりの心が欠けていくと感じる時がありました。私自身も、仕事が辛すぎて辞めたかった時は、自分のことしか見えていませんでした。
桑理:ふむ。。
川原:でも「思いやりの心を大切にしなきゃ!」と思うようになってから、後輩の教育などの仕事が楽しくなっていきました。元から人に教えることが好きだったのもありますが。
桑理:ほぉ。。それはいつ頃ですか?
川原:社会人2年目の途中です。
桑理:何か、きっかけがあったんですか?
川原:今、塾の起ち上げでお世話になってる、起業家の方に出会ったことですね。
桑理:ほぉ。起業家の方。
川原:その方に「ビジネスは他者の問題を解決してあげること。多くの人はその意識が欠けてしまって、自分自身が擦り切れてしまう。」と教えてもらいました。
桑理:なるほどね。。
川原:心理学的にも、自分のことだけ考えている場合、はパフォーマンスが下がるそうです。イチロー・本田圭佑・錦織圭・・・海外でも特に活躍している人に共通することがあるんですが、何だと思いますか?
桑理:超一流のスポーツ選手ですが、、、共通すること?
川原:子供達のためにスクールを開いているんです。
桑理:へぇー!そうなんですね!
川原:しかも、自ら「次の世代のために」と言っています。それを聞いて「これだ!」と思いました。
桑理:なるほどぉー。
川原:道徳の授業で「思いやりの心が大事」とは言っていますが、私の塾ではそれを刻み込んでいきたいと思います。親へのサプライズ・プレゼントを企画することも、授業に取り入れる予定です。
桑理:プレゼントか、、いいですね。小さいですが、僕も友達と「感謝の手紙を書く会」を月に1回やってます。
川原:ほぉ、すごくいいですね!
桑理:そういうのが子供の頃から当たり前に出来る人は、家庭でも、職場でも、幸せに過ごしていると思います。
川原:そうですね。。私は、想いを言葉にする力と思いやりの心の2つが合わされば、夢を叶える力になると考えています。
桑理:夢を叶える力?
川原:自分の想いを実現して、ビジネスをするための能力です。塾の1クールが終わったときのゴールを、①自分の夢を人前で堂々と話すこと、②その夢が人のためになっていることにしています。
桑理:「人のため」が自分の夢。素晴らしいですね。。。
川原:夢を職業っていう小さいカテゴリーに納めず、他社に貢献することを夢にする。これが私の塾でやろうとしていることです。
奈良を活性化したい
川原:Terakoya kokoroは「寺子屋」の名前の通り、お寺を中心に施設を借りて、塾を開きます。
桑理:ほぉ。お寺で。
川原:奈良にはたくさんお寺があるので、今後広げていくのも、お寺を借りていきたいと思います。今は、薬師寺にAKBが来たり、橿原神宮にきゃりーぱみゅぱみゅが来たりするんです。
桑理:へぇー。お寺も色々してるんですね。
川原:お寺を子供も親御さんも来れる場所にして、奈良の活性化に繋げていきたいです。
桑理:素晴らしいですね!
川原:将来的には、奈良で観光業をやりたいと思っています。奈良を出て行った人が、帰ってきたいと思える場所にしたいです。
桑理:ほぉ。観光ですか。
川原:この考えのモデルになったのが鎌倉です。大学生最後の年に旅行して、すごく癒されました。
桑理:鎌倉と奈良は、大仏もあるし、近いものがありますね。
川原:私自身、社会人の2年目、仕事が辛くて、癒される場所が欲しいと思っていました。そうやって仕事で擦り切れた社会人が奈良に来て、「癒された」と言ってくれたら嬉しいです。
桑理:癒される奈良か。。。いいですね!
川原:これは、10年後にスタート出来ればいいなと思っています。成長した塾の子供達と一緒にやりたいですね。
現状を変えたくて、色んな人に会った
桑理:振り返ると、起業家さんとの出会いから、大きく変わっていったんですね。
川原:そうですね。起業家さん以外にも、塾の起ち上げを色んな方がサポートしてくださっています。社会人2年目、現状を変えたいと思って、色んな人に会いに行きました。最初は、ネットワークビジネスの勧誘を受けることも多かったですが(笑)。
桑理:ネットワーク(笑)。
川原:その時、英語の発音指導をされている方に出会いました。その方も「ビジネスはGive & Given」「自分から与えることで、必ず返ってくる」と仰っていました。その方の知り合いが、今お世話になってる起業家さんです。
桑理:なるほど。近い考えを持つ人は、集まりますね。
川原:起業家の方に、新しい事業の起ち上げ方をイチから教えて頂きました。「準備をしてからやろうとしても、準備は終わりが無いから、いつまでも始められない」と言われて、会社を辞める決断が出来ました。
桑理:準備は終わらない、なるほどねー。
川原:安定した収入は無くなりましたが、毎日充実しています。4月からも、塾だけじゃ生計は立てれないかもしれませんが、やりたいことが出来るのでワクワクしています。
桑理:具体的に、今はどんな準備をされてるんですか?
川原:塾のプログラムは完成していて、今は集客です。Facebookページで名前を知ってもらうこと。奈良を拠点に活動している人に会って、その繋がりで親世代の方に会わせてもらったり。
桑理:ふむふむ。
川原:3月末の体験会は、奈良で顔ツボマッサージをされている方とコラボして、子供達には塾の授業、お母さんにはマッサージを受けてもらいます。
桑理:ほぉ!面白いですね。
川原:私の塾が奈良の他のビジネスの活性化にも繋がればいいですね。発信を続けていると、「話を聞きたい」と連絡をもらえたり、同じような考え方で塾をしている方に会うことも出来ました。
桑理:発信するのは大事ですね。僕もインタビューしてなかったら、川原君と会うことも無かったでしょうし。
川原:そうですね!前の会社も最後は楽しくなりましたが、退職してから出会う人の数が増えて世界が変わりました。特に社長さんや、個人で仕事している方は他社貢献の想いが強くて、素敵です。
桑理:ふむ。。。
川原:まずは、塾をしっかり起ち上げないといけませんが。前の上司にも、お客さんにも、「起業する」とカッコつけて辞めてきましたし(笑)。
桑理:にしても、、、会社で働いている人は、なんで面白くなさそう人ばっかりなのか。。。
川原:そうですね。。。私の考えでは、面白いことにはゴールがあります。
桑理:ほぉ。ゴールですか。
川原:ゲームにもゴールがありますし、フルマラソンも、走るのはしんどくても、ゴールがあるから楽しい。仕事と勉強は、自分で決めなきゃゴールがありませんから。
桑理:なるほどねー。。
川原:仕事でも、目標と言うと、遥か遠くにあるような気がします。私の塾では、子供達にもゴールという言葉を使ってもらいます。
子供達には、自分の様な思いをして欲しくない
桑理:そんなに子供が好きなのは、何か理由があるんですか?
川原:好きと言うか、、、自分が昔、人前で全く話せない子供だったんです。赤面症で、発表が大嫌いでした。子供達には、自分の様な思いをして欲しくないというのが大きいですね。
桑理:なるほど。。。
川原:社会に出たら、人前で喋る能力が求められますし。今でこそ、人前で話すことなんて何とも無いと思えますが、子供のうちにそういう状態にしてあげたら、大人になっても強いと思います。
桑理:人前で話すのも慣れですけど、そういう機会って、多い子は多いし、少ない子は少ないし。。。
川原:皆、自分の好きなことならベラベラしゃべるんですけどね。日本の教育は、5教科のレベルはすごく高いけど、ロジカルシンキングやコミュニケーションは弱い。
桑理:ふむ。
川原:それも歴史的な背景があって。戦後、マッカサーがお金の教育を禁止したんです。真面目な日本人がそれをすると、アメリカを追い越してしまうから。
桑理:そうなんですね!
川原:お金の教育は、数字やモラルを身に付けたり、ロジカルシンキングの勉強になる要素も詰まっています。私達の世代は、ある意味被害者でもあるんですね。私の塾では、お金の教育も取り入れていきます。
桑理:まさに、学校で教えてくれないことですね。
川原:もちろん、国語で言語力が上がるし、数学で論理的思考が身に付くし、将来の伸びしろを作るために5教科の勉強は必要です。でも、学校も、お受験塾も「この勉強はなぜ必要か」ということに答えられないんです。
桑理:確かに。。。
川原:2018年から学校の成績に道徳が入るし、教育も変わり始めている。今後、コミュニケーション能力も入ってくると踏んでいます。私の活動が、それを進めていく力になればいいですね。
編集後記
コミュニケーション発育型塾。
目に見えない能力だけに、名前を聞いただけでは「?」が並びます。
川原さん自身、インタビュー前、少し緊張しているように見えて、もっと「?」が並びました。
でも、インタビューを最後まで読んでくださった方は、この「?」が無くなっているでしょう。
- 人前で全く話せない子供だった先生が
- 子供達には、自分の様な思いをして欲しくないから始める塾
この記事が川原さんの応援になり、奈良の地域活性化にも役立てば、とても嬉しく思います。
※関西にも、人前で喋るのが苦手な人はたくさんいます。関西以外の方は、誤解なきよう。
以上。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます(m_ _m)
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