日本の林業の弱さ

前回は、日本が木を輸入しまくっていることに触れた。
今回は、日本の林業の弱さを掘り下げる。

今の林業は、機械が当たり前

林業と言えば、

こうやってチェーンソーで木を切るイメージがある。

しかし、今の林業は大きな機械を使う。

林野庁HPより

  • ハーベスタ
    木を切るショベルカーみたいな機械
  • フォワーダ
    木を載せて運ぶ機械

大きな機械ほど高い。
1,000万円以上するものもあるそうだ。

大きな機械で、たくさんの木を切り、売る。
これが今の林業。

日本には機械が少ない

林野庁HP「路網整備の推進」では、

  • 木材自給率50%以上をめざし、搬出を容易にするため路網整備の推進に取り組んでいます。

と言っている。
また、林野庁HP「林業の現状と課題(3)林業事業体の動向」では、

  • 林業経営体のうち52%は個人経営体が占め、森林組合は15%、その他会社等の法人化している組織は26%である。
  • 「1万m3以上」の規模層の経営体は、経営体数では8%を占めるにすぎず、規模の小さいものが多い。
    ⇒規模が小さい経営体は、機械化も進まず生産性が低いものが多い。

とある。
つまり、

  • 機械を走らせる道が少ない。
  • 機械を買えない個人事業者が多い。

という理由で、日本の林業は大きな機械が少ない。
よって、日本林業の生産性は低い

日本の林業大手「住友林業」

日本林業は個人事業主が多い、とは言え、

住友林業」という超大手企業もある。

事業セグメント別業績によると、2018年3月期で

  • 売上 1兆2,000億円
  • うち、木材建材事業4,300億円、住宅事業4,500億円

しかし、国内山林事業で保有している山林の面積は約5万ヘクタール
日本の森林は約1,100万ヘクタールなので、200分の1くらいしか持っていない。

木材の多くは、広く世界から輸入している。


輸入材の内訳より

では「日本の森林は誰が持っているのか?
次回は、これを掘り下げる。

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